2014年04月10日, 編集履歴
Gumroadでできること
Gumroadは何らかの物品(ディジタルコンテンツ、物理的な物品問わず)をかんたんに販売することができるプラットフォームである。2012年2月頃サーヴィスが始まり、私もCLCLというOS X用アプリケーションの販売に使用している。
スタート当初こそ話題になったが、その後はあまり目立った話は聞かず、それ以降の二年間で搭載された新機能等についてはあまり広まっていないのではないかと思う。今回はGumroadの様々な特徴、機能を紹介していきたい。
Gumroadで商品を購入する際の手順については「Gumroadで商品を購入する手順」を参照。
Gumroadの基本
Gumroadは基本的にはディジタルコンテンツの販売に使えるプラットフォームである。たとえば、絵や写真、音楽、動画、電子書籍、アプリケーション等なんでも販売可能。
売り手はTwitterかFacebookのアカウントがあればGumroadにログインでき(Gumroad独自のアカウントも作成可能)、数分で販売を開始することができる。商品を登録するには、タイトルと説明、価格を設定し、ファイルをアップロードするだけである。
金額の範囲は米ドルで0.99ドルから1,000ドルまで、日本円だと99円付近から100,000円付近まで(「付近」と曖昧なのはドキュメントに記載がないから。試した範囲だと99円〜101,800円までは可能だった。そのときのレートで変わったりするのかしらん?)。あるいは無料も設定できる。
商品を登録するとGumroad上に購入ページが作られるが、ストアのような場があるわけではないので(App Storeのようにいろんな売り手のいろんな商品を一覧したり、検索ができるわけではない)、商品の購入ページのURLを自分のウェブサイトやTwitter等に貼り付けて、自分で宣伝する形になる。
手数料は一取引当たり5% + 25セント。10ドルで何かを販売した場合、売り手には9.25ドル入る計算になる。売上金は隔週でPayPalまたは銀行へ振込んでくれる。
買い手はメイルアドレスとクレジットカード、あるいはPayPalがあれば商品を購入することができる。会員登録などは不要。商品を購入すると即座にファイルをダウンロードできるURLを入手できる。
Gumroadの機能
以下ではGumroadの様々な機能を紹介する。詳細な機能紹介はGumroadご利用ガイドに書かれている。ここで紹介するもの以外にも様々な特徴、機能があるので一読をお勧めする。
購入ページのオーバーレイ表示、埋め込み
通常、自分のウェブサイト等からGumroadに作った購入ページへのリンクを貼り、買い手をそちらに遷移させる形になる。オーバーレイ表示を使うと、自分のウェブサイトのページに購入ページを重ねて表示させるようにでき、買い手は見た目上ページ遷移を経ていないようにできる。埋め込み形式もほぼ同様で、購入ページを自分のウェブサイト内のコンテンツの一部として埋め込み表示できるようになる。
オーバーレイ表示も埋め込みも、どちらもそこからシームレスに購入処理に移ることができる。
販売数、販売国の限定
販売数を100個までとか限定できたり、販売国は日本だけとか限定できる。
オファー
値引きコードを設定し、購入時にそれを入力してもらう、あるいは自動的に値引きが適用されるURLを発行することで、値引き販売をすることができる。その際、値引き販売数の限定も可能。
物理的な物品の販売
スタート当初は、基本的にはディジタルコンテンツ(たとえばmp3やPDF等の何らかのファイル、あるいはURL)の販売にしか対応していなかったが、現在は物理的な物品の販売も行えるようになっている。出荷情報を入力させるフォームを購入ページに追加することができるようになっており、売り手はそれに基づいて自分で物品を発送する。
Pay What You Wantモデル
Pay What You Want = 支払いたい金額を支払う。固定の金額ではなく、(売り手が最低金額を設定した上で)買い手が支払いたい金額を支払うモデル。最低金額は0にすることもでき、その場合は買い手はクレジットカードも必要がない。
CLCLの販売にはこのモデルを用いており、最低価格を2ドルとしている。たまに2ドル以上を支払ってくれるひともいて、大変ありがたい。
サブスクリプション
定期的(月毎・三ヶ月毎・一年毎から選択)に料金を支払ってもらう定期購読モデル。支払いは定期的だが、更新頻度は売り手の裁量次第(Gumroadとしては最低月一更新を推奨している)。メルマガ等に使えると思う。
動画のストリーミング
単純な動画のダウンロード販売だけでなく、ストリーミング再生のみに限定した販売も可能。
売上金の銀行振込
当初は売上金の受け取りはPayPalのみだったが、いまでは全銀システムに対応しており、日本の銀行へ売上金を振り込みしてくれるようになった。ただし、PayPal受け取りの場合は10ドルから受け取れるが、銀行振込の場合は合計売り上げが100ドル以上にならなければならない。
PDFスタンプ
PDFを販売する場合は、そのPDFの最初のページに購入済みマークと買い手のメイルアドレスを自動で埋め込んでくれる。いわゆるソーシャルDRM。
複数ファイルの販売
当初はひとつの購入ページで販売できるのはひとつのファイルしか対応しておらず、複数ファイルを販売したい場合は自分でZIPファイル等にまとめる必要があったが、現在は複数ファイルのアップロードに対応している。
自分でZIPにすればいいだけなのだが、上述のPDFスタンプ機能と合わせて考えるとその利用法のひとつが解るだろう(ZIPにまとめられているとPDFスタンプを埋め込めない)。
ギフト機能
買い手向けの機能で、買うのは自分だが、それを別のひとにプレゼントすることができる。通常、買い手は自分のメイルアドレスとクレジットカード番号を入力するだけだが、追加でプレゼント相手のメイルアドレスと任意でメッセージを入力することができる。商品のダウンロードはプレゼント先のメイルアドレスに届くことになるのだろう。
最後に
今回、Gumroadを利用した投げ銭を作って、このウェブサイト全体に掲載してみた(ブログ記事の末尾とフッタ部)。Pay What You Wantモデルで価格付けをしているので、0円でも購入可能。その場合はクレジットカードは必要なく、メイルアドレスのみで購入できる。それでも購入者があった旨はこちらに通知されるので、ウェブ拍手代わりにもなったりするかも(0円の場合はウェブ拍手的に、お金払ってくれる場合は投げ銭的にと、Pay What You Wantモデルを用いればひとつでふたつの役割に兼用できる)。